「民主主義の本質」鮎澤巌・昭和21年6月10日発行大権事項
・
従来、帝国憲法に天皇の大権とされてゐたものは
(一)兵馬大権、
(二)外交大権、
(三)戒厳大権
(四)官制大権
(五)栄典大権
(六)恩赦大権である。
いま次の変革にさいし一応それらの内容を検討してみやう。
・第一の兵馬大権の規定は、日本においてはこの国をもっとも禍ひしたいはゆる「統帥権問題」の根因をなすものである。このたびポツダム宣言によって非武装国となった日本は、将来ながく平和国家として世界文化に寄与することに専念するはずであるから、
・
従来、帝国憲法に天皇の大権とされてゐたものは
(一)兵馬大権、
(二)外交大権、
(三)戒厳大権
(四)官制大権
(五)栄典大権
(六)恩赦大権である。
いま次の変革にさいし一応それらの内容を検討してみやう。
・第一の兵馬大権の規定は、日本においてはこの国をもっとも禍ひしたいはゆる「統帥権問題」の根因をなすものである。このたびポツダム宣言によって非武装国となった日本は、将来ながく平和国家として世界文化に寄与することに専念するはずであるから、
統帥権問題は自然消滅したわけであるが、やがて日本国が主権を完全に回復し、界諸国間に伍して共同に国際治安維持上の義務を負ふべき時機を予見し、兵馬の権は内閣が議会の協賛をえてこれを行使するといふやうに規定することが穏当であらう。
・
・
大権という言葉を、私は知りません。
日本会議や社民党が盗んでいた本が一冊、今日私が出かけている間に本棚に入れてありました。
父の持っていた百科事典です。
地図が載っています。
釣魚島の影も形もありません。
釣魚島が、当時日本固有の領土であるのなら、中国に近く、重要な軍事拠点ですから、昭和13年の百科事典に載っていないということはありません。
しかし、何も書いてありません。
・
私の持っている事典では、1969年までは、日本は「釣魚島が日本の固有の領土である」という主張をしていないために、事典にも地図帳にも載っていません。
「釣魚島が日本固有の領土」というのは、日米政府と右翼の創作です。
1964年の三省堂世界史の参考書が面白いです。
この当時は、日本はまともでした。
漢代・唐代・元代・民代の世界地図があって、日本の南の島が少しずつ増えています。
こういう風に正直に作られた参考書なら解いても面白いでしょうが、嘘の歴史を強いられて、それを解かされても、誰も勉強なんかしません。
それでなくても、つまらない教師ばかりで、下手な教え方をするので、勉強なんか全く面白くもありませんのに。
今後大馬鹿者大国として日本は頑張って行くしかありません。
・
父の弟の名前が書いてあります。
父は、父親を病気で小学生の時に亡くし、母親は家を後にしましたので、弟達と年老いた曾祖父母の面倒をみる為に、小さい時から働きました。
勉強がしたくてならない人で、神戸の奉公先で勉強ばかりするので、「貴方は何かになりなさい。」と言われ、家に帰り、国鉄の試験を受けて国鉄に勤務し始めました。
国鉄は試験を受けて地位が上がります。
学校も出ていなかった父は、試験を受け続けて出世し、私達に惨めな思いをさせることはありませんでした。
父は誰のことも悪く言ったことのない人で、父のことを誰一人として悪く言う人はいなかったと葬儀の時に皆が言いました。
「2000倍の難関だった。」と日記に書いてありました。
弟二人も国鉄に合格しています。
一人は戦時中、父の出兵時に国鉄事故で死んでいます。
・
私が成人した頃、父が国鉄だと話すと、「幾つになられたの?」と尋ねられました。
生まれた年を話すと、「その時代の国鉄職員は非常に優秀な人が多い、合格するのが大変だった。」と言っていました。
・
百科事典は、昭和13年のものです。
父の弟は、門司鉄道局内の或る駅に勤務していました。
綺麗な字でそう書いてあります。
この百科事典は、東京 愛之事業社のもので、三円です。
子供の頃に何度か読みました。
何だか宝物が詰まっていそうな、抱き締めたいような気がしました。
私は父が持っていた古い小説を数冊読みました。
何か、秘密が隠されていると思ったからです。
・
百科事典を引用します。
天皇の大権
・
天皇は国家統治の大権を掌握し給ふが、
一、法律の裁可公布及び執行、
二、緊急勅令、
三、行政命令、
四、行政各部の官制棒給及び任命
五、軍令及び軍政、
六、外交の大権、
七、議会召集権、
八、戒厳宣告の大権、
九、爵位勲章その他の授与、
十、大赦特赦減刑復権の命、
十一、非常大権、
十二、財政上の緊急処分、
十三、憲法改正の発議、
十四、皇室典範及び皇室令、
十五、年号制定
等である。
・
日本帝国憲法では、裁判官は天皇に直属していました。
今も天皇と天皇に仕える政府に、弁護士から検事まで直属しています。
三権分立と当時も言っています、しかし、大権を見れば分立しようがありません。
こういう天皇を中心とした制度に戻したがっているのが、日本会議です。
天皇が一人で何もかも出来るはずがありません。
天皇の側近にさえなっておけば、何でもできるのが、大日本帝国憲法です。
・
しかし、これって、随分気の小さい人達が作った憲法だと思いませんか?
自分が良ければ良いと考えるのは、淋しいことです。
私は自分はどんな状況にあっても、良い状態だと思うことにしていますから、こんな憲法に戻して、自分のしたいようにして、国民を蔑(ないがし)ろにしたがる人の気が知れません。
これを望んでいるのが、小泉純一郎であり、麻生太郎、安倍晋三、自民党民主党右翼です。
・
天皇を中心とした日本の未来を考え、そのための日の丸、君が代教育を進め、アメリカに追随する防衛・外交のために、今更何の役にも立たない英語を小学生に教える?
そんなものを、「教育」と私にも呼ばせるの?
私の詰め込み教育の方が余程役に立ちます。
受験は一週間でパス、学年トップになりますが、当分勉強をしなくなるか、全く勉強をしなくなります・・・・・
「勉強は一週間で良い」という気分にさせる効果しかありません。
・
統帥権問題は自然消滅したわけであるが、やがて日本国が主権を完全に回復し、界諸国間に伍して共同に国際治安維持上の義務を負ふべき時機を予見し、兵馬の権は内閣が議会の協賛をえてこれを行使するといふやうに規定することが穏当であらう。
東大教授の鮎澤巌さんが昭和20年、戦争が終わった年にこういうことを言っているのは、興味深いことです。兵馬の権というのは軍隊の権という意味でしょうから、いずれ又軍隊は組織され、天皇制も復活すると考えたのか、書かされたのかどちらでしょう。
書かされたと考えるのが妥当です。
日本はアメリカの占領統治下にありました。
ここら辺が分からないところです。
・
アメリカの占領軍とマッカーサーはやって来ているのに、占領された、統治されたという言葉が殆ど日本の1970年以降の歴史の書物から消してあります。
沖縄は「統治された」と今も明確に書いてあります。
・
日本の親米派とアメリカが組んで戦後処理を曖昧にしたことは、日本を現在も孤独な国家にしています。
・
古い書物に書いてあることは、もう既に誰のものとも言えず、出版社も著者もなくなっていますから、日本国民、世界の人々のものです。
第二次戦争前、戦争後、どういうふうに人々が考えていたのか、一緒に勉強しましょう。
きっと日本の明日を切り拓く力を持っています。
・
21:59 2010/11/21日曜日