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精神分裂病検査のない違法措置入院、逮捕状のない大阪拘置所違法24日間拘留

私は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム、理化学研究所人体実験被害者です。法務省、大阪地検、大阪高検、米子地検、大阪簡易裁判所、最高裁は、捏造社民党名誉毀損事件を画策、家宅捜索礼状のない家宅捜索、逮捕状のない大阪拘置所違法24日間拘留によって、自民党、公明党、社民党、共産党、学者と全大学、全企業、全官公庁による窃盗、夫殺害、株不正売買、米子市養和病院違法措置入院、40にも及ぶ違法有料ブログ解約、厚生労働省、医師会、歯科医師会、看護士会、介護士会、各政党と党員、キリスト教、天台宗、創価学会、幸福の科学、ものみの塔など宗教法人と信者による音声送信とストーカー、嫌がらせ、自民党社民党によるOCN、EDIONenjoy違法プロバイダ解約等の証拠隠滅を行いました。私は、詩人、エッセイストでもあり、翻訳家でもありますが、私の詩、エッセイ、翻訳詩、翻訳小説、翻訳文を、日本政府は、世界中に売っています。

プロ以上の翻訳を成田悦子

  • Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳 - 「デイズィ!」(それは似たような名前に響いた。) 「オウ、本当に!十分だ、僕は去年のフトゥボール秘書を偶然知っている;だから彼はスカンドゥルを(スキャンダル)を広めて簡単に君の息を止めようとする。君はとにかく間違っている。7問。4つのミスだ!君は明日の朝7時に僕の『キューブ』に来るんだね。分かる?よい夜を!」...
    1 日前
  • Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳 - 「デイズィ!」(それは似たような名前に響いた。) 「オウ、本当に!十分だ、僕は去年のフトゥボール秘書を偶然知っている;だから彼はスカンドゥルを(スキャンダル)を広めて簡単に君の息を止めようとする。君はとにかく間違っている。7問。4つのミスだ!君は明日の朝7時に僕の『キューブ...
    1 日前

2011年11月30日水曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩(ね)じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れ去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればいい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

生きるには狭い心をなるったけ心細く保ち
門を閉じ雨戸を閉め部屋を真っ暗にする
暗闇には小さなろうそくの灯かりがあればよい
庭には雀の網を張ればよい
雀がかかれば身代わりにわずかの涙を流せばよい

生きるには風に靡(なび)き雨に濡れ非を打たれればよい
生きるには陽を浴び水を浴び酒を浴び非を認めればよい
ガラスの破片を撒いて血を流す
無駄口を利いて胸をずたずたに引き裂く
生きるには弱弱しくよろめきながら歩けばよい

夜眠り朝目覚めればいい
眠って起きて嘆きの荷を水に流せばいい
この上なくひそやかないのちを針と糸で侵入から守ればよい

生きるには手の平にある未来を全部なくして孤独に暮らし
処方された夢を投げ捨て
世界に割り当てられる鈍感な主義思想に属さない
生きるには降る幸と吐息のサラダを作って食すればよい

理不尽に振り返らないばかりに
おどけた手と縛られた足から成る
狂おしいほどの落下に殉じ
空一面物さびしく
口いっぱい十字架をほうばる

生きるには瓶の中の根を弄び
底に渇きを張り付け
許された裡なる所有をアルコールに浸す
生きるには声と涙、倶(とも)に下る烈しい炎
灼き尽くす私の席

生きるにはえとらんぜ
背に負う負極
のちの時代に成し遂げられる独立を支持する
かかとの辺(あた)り、定められた時刻
ガラスの靴、ガラスの空間
小声で囁く、「しあわせは零時に」

荒れ果てた城
不可能はなかった
意味を持つ行動と意志の統制
歪曲された人の絵姿
生きるには服従の方式を採用する

生きるには今日はまた違う今日を
明日はまた俗悪な今日を
いつまでも見つからない燃やした手紙と捨てたあるばむ
生きるには道端にあるとは限らない愁えをひも解く

雨に打たれて情けなく
風に揺れて情けなく
花を摘むのに明け暮れる
報われたい、裏切られたい、求められたい
生きるには形どった花を象(かたど)る

20:21 2011/11/30水曜日
22:48 2011/10/04火曜日
20:54 2011/11/25金曜日
21:25 2011/11/26土曜日
22:35 2011/11/27日曜日
20:34 2011/11/28月曜日
18:18 2011/11/29火曜日

私がPlalaの回線を使用していない時も、使用中も、私の回線を切断し、2003年から十年近く違法に使って来ました。
20時26分から「二時間」私のPlala接続中の回線を使用し、私はhttp://pub.ne.jp/anataosute71を表示出来ませんでした。

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・ ファイアーウォールやプロキシでネットワークが保護されている場合、Firefox による Web アクセスが許可されているか確認してください。

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2011年11月29日火曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩(ね)じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れ去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればいい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

生きるには狭い心をなるったけ心細く保ち
門を閉じ雨戸を閉め部屋を真っ暗にする
暗闇には小さなろうそくの灯かりがあればよい
庭には雀の網を張ればよい
雀がかかれば身代わりにわずかの涙を流せばよい

生きるには風に靡(なび)き雨に濡れ非を打たれればよい
生きるには陽を浴び水を浴び酒を浴び非を認めればよい
ガラスの破片を撒いて血を流す
無駄口を利いて胸をずたずたに引き裂く
生きるには弱弱しくよろめきながら歩けばよい

夜眠り朝目覚めればいい
眠って起きて嘆きの荷を水に流せばいい
この上なくひそやかないのちを針と糸で侵入から守ればよい

生きるには手の平にある未来を全部なくして孤独に暮らし
処方された夢を投げ捨て
世界に割り当てられる鈍感な主義思想に属さない
生きるには降る幸と吐息のサラダを作って食すればよい

理不尽に振り返らないばかりに
おどけた手と縛られた足から成る
狂おしいほどの落下に殉じ
空一面物さびしく
口いっぱい十字架をほうばる

生きるには瓶の中の根を弄び
底に渇きを張り付け
許された裡なる所有をアルコールに浸す
生きるには声と涙、倶(とも)に下る烈しい炎
灼き尽くす私の席

生きるにはえとらんぜ
背に負う負極
のちの時代に成し遂げられる独立を支持する
かかとの辺(あた)り、定められた時刻
ガラスの靴、ガラスの空間
小声で囁く、「しあわせは零時と共に」

荒れ果てた城
不可能はなかった
意味を持つ行動と意志の統制
歪曲された人の絵姿
生きるには服従の方式を採用する

18:18 2011/11/29火曜日
20:34 2011/11/28月曜日
22:48 2011/10/04火曜日
20:54 2011/11/25金曜日
21:25 2011/11/26土曜日
22:35 2011/11/27日曜日

2011年11月28日月曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩(ね)じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れ去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればいい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

生きるには狭い心をなるったけ心細く保ち
門を閉じ雨戸を閉め部屋を真っ暗にする
暗闇には小さなろうそくの灯かりがあればよい
庭には雀の網を張ればよい
雀がかかれば身代わりにわずかの涙を流せばよい

生きるには風に靡(なび)き雨に濡れ非を打たれればよい
生きるには陽を浴び水を浴び酒を浴び非を認めればよい
ガラスの破片を撒いて血を流す
無駄口を利いて胸をずたずたに引き裂く
生きるには弱弱しくよろめきながら歩けばよい

夜眠り朝目覚めればいい
眠って起きて嘆きの荷を水に流せばいい
この上なくひそやかないのちを針と糸で侵入から守ればよい

生きるには手の平にある未来を全部なくして孤独に暮らし
処方された夢を投げ捨て
世界に割り当てられる鈍感な主義思想に属さない
生きるには降る幸と吐息のサラダを作って食すればよい

理不尽に振り返らないばかりに
おどけた手と縛られた足から成る
狂おしいほどの落下に殉じ
空一面物さびしく
口いっぱい十字架をほうばる

生きるには瓶の中の根を弄び
底に渇きを張り付け
許された裡なる所有をアルコールに浸す
生きるには声と涙、倶(とも)に下る烈しい炎
灼き尽くす私の席

20:34 2011/11/28月曜日
22:48 2011/10/04火曜日
20:54 2011/11/25金曜日
21:25 2011/11/26土曜日
22:35 2011/11/27日曜日

2011年11月27日日曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れる去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればよい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

生きるには狭い心をなるったけ心細く保ち
門を閉じ雨戸を閉めて部屋を真っ暗にする
暗闇には小さなろうそくの灯かりがあればよい
庭には雀の網を張れば良い
雀がかかれば身代わりにわずかの涙を流せばよい

生きるには風に靡(なび)き雨に濡れ非を打たれればよい
生きるには陽を浴び水を浴び酒を浴び非を認めればよい
ガラスの破片を撒いて血を流す
無駄口を利いて胸をずたずたに引き裂く
生きるには弱弱しくよろめきながら歩けばよい

生きるには夜眠り朝目覚めればよい
生きるには眠って起きて嘆きの荷を水に流せばよい
この上なくひそやかないのちを針と糸で侵入から守ればよい

生きるには手の平にある未来を全部なくして孤独に暮らし
処方された夢を投げ捨て
世界に割り当てられた鈍感な主義思想に属さない
生きるには降る幸と吐息のサラダを作って食すればよい

22:35 2011/11/27日曜日
22:48 2011/10/04火曜日
20:54 2011/11/25金曜日
21:25 2011/11/26土曜日

「鳥居正宏のときどきLOGOS」は加藤被告の事件と私を中傷する記事を並べて書き込んでいます。
その記事は、カナダde日本語、保坂展人、朝日新聞社その他出版社、日弁連、自民党、社民党、共産党にトラックバックが送られています。

2011年11月26日土曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れる去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればよい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

生きるには狭い心をなるったけ心細く保ち
門を閉じ雨戸を閉めて部屋を真っ暗にする
暗闇には小さなろうそくの灯かりがあればよい
庭には雀の網を張れば良い
雀がかかれば身代わりにわずかの涙を流せばよい

生きるには風に靡(なび)き雨に濡れ非を打たれればよい
生きるには陽を浴び水を浴び酒を浴び非を認めればよい
ガラスの破片を撒いて血を流す
無駄口を利いて胸をずたずたに引き裂く
生きるには弱弱しくよろめきながら歩けばよい

21:25 2011/11/26土曜日
22:48 2011/10/04火曜日
20:54 2011/11/25金曜日

2011年11月25日金曜日

生きるには

生きるにはごはんを食べればよい
生きるには死ななきゃいい
生きるにはきれいないろの服を着て
我を忘れ盛りの歌を歌えばよい

もっともちいさいものであればよい
とにかく世に知られずひっそりいればよい
生きるには生きればいい
暑い日が続けば水に体を捩じ込む
寒い日が続けば氷を割って底に沈む

生きるには一人用のこころがあればいい
生きるには一人分の食器に一人分のスプーン
禁じられた食卓の触れないうわさ
一人用の寝台に一人分の乱れ
生きるにはすっかりなくす生き物の殻

有るしあわせ
しあわせを持つ
しあわせを待つ
生きるには一列にしあわせをいくつ並べよう
胸に宛てて送り届けられる打ち消しの文字
見えないものを見て、見えるものを見て
見ていないわ
見えなかったの

生きるには夜、一時(いっとき)ゆめをみたい
生きるには朝、二つに千切った希望の形を二人で分け合いたい
何もかもがいやになる
行方、流れる去る時

男はおんなに
女はおとこに
ことばを捨てて
正義を捨てて
此の世の生を捨てて
と云えない

生きるには何もしないでいればよい
生きているから
今日が流れ
明日が流れ
希望は日に映えて

生きるには苺のようにかわいくあればよい
わずかなしあわせを胸に抱き
大きな木の影に眠っていればいい
生きるには眠りかけたらそのままみんな忘れてしまえばいい

生きるには昨日に手を加えて
生きるには聖書に手を加えて
生きるには良心に手を加えて
過ぎた物と
完全な物と
手の込んだ物と
分厚い物を
欠けた爪としてすっかり切ってしまえばよい

生きるにはひょっとしたら死んだように悄悄(しおしお)と暮らせばよい
理性と感性に通じる道を破壊し迷い子になればよい
その道に美しい花を植え新しい歌を口ずさもう

20:54 2011/11/25金曜日
22:48 2011/10/04火曜日


この詩は検索に出ません。

2011年11月24日木曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣(なら)った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽
愛されたかった

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言(かげん)
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

陶然として
いちおう
整える襟
私はひとり立っていた
遠く離れて広やかな
棄てて忘れて美(うるわ)しく
飽き飽きするほどのこの広大無辺
隙間を過(よ)ぎる歳月(としつき)
私は望んだ進んで犯す過(あやま)ちを貴方に
私は望まなかった掲げる灯火である私を
貴方は望んだ私に
身を寄せる岸を
次第に消える燼余(じんよ)
私は見ていなければならなかった私を
貴方は見ていた私を
冷たい灰
違(たが)える流れ
のちに
愛されたかった

露の世
目を濡らし
這う這う逃げる
私はひとり見ていた
陽を受けて葉が裏を向く
惜しまず削る私
残すことなく赤い口紅を落とす
私は拠り所とした貴方を
二人は身を委ねた壊れた玩具(おもちゃ)に
私は問い返す目覚める度(たび)今日の途(みち)を
貴方は見た私を
私は見ていた貴方を

ひとつ
触れた脈
愛されたかった

知り尽くし
障りなく
可愛げな女
私はひとり立っていた
おしまいと言いながら潜り込む貴方の場所
剥き出しの皮膚
幾ほどもなく泣きすがるなだらかな人の胸
寄せ返る波
貴方は聞かせてくれた間に合わせに
私は言いかけて充ち足りた
いやになるほど匂い染まる山々
私は貴方を見ずに遠い所を
貴方は私を見てありふれた女と
外れて
徒(いたずら)に
望まない
告げない
愛されたかった

的の外れた雨
路を砕き
岸を崩し
眜(くらい)囲いを作る
私はひとり見ていた
片足のない鳥を
後退(じさ)りする水面を
遠く眺める浅い器
朱を溶かし古(むかし)を染める
陸(おか)に喘ぐ朱い砂
貴方は私だった
私は貴方だった?
だれに掴まり
どこに行き着き
だれを明らめ
どこを流れる

革(あらた)まる命

薄い帷(とばり)
愛されたかった

22:02 2011/11/23水曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日
21:55 2011/11/19土曜日
20:37 2011/11/20日曜日
20:32 2011/11/21月曜日
21:02 2011/11/22火曜日

・・彼方此方(あちこち)の人・・
の「人」を 他の言葉に変えようと思いましたが、このままの方がいいような気がして・・・
他に直すところはありませんでした。
何度読んでも素敵な詩です。

性器のことを「おもちゃ」と書いたり、「玩具」と書いて「おもちゃ」と読ませたりしています。
性器は「おもちゃ」でもあります。
「ひらがなのおもちゃ」です。
或る人々にとっては、性器はひらがなの「おもちゃ」 です。
本当は、子供を産むために性器はあります。

「愛している」と言ってみても、「愛している」と一日中思うことはありません。
「愛している」と頭の中で思うのは、一日の一体何分、何時間?
何分以上「愛していると」思えば、「愛している」ことになり、何分以下なら「愛していない」ことになるのでしょう?
愛の深さと言っても、愛の浅さも深さも測ることは出来ません。

セックスに愛があるか?ないか?
セックスにあるのは、快感だけです。
愛してみても快感を得る道に通じない場合、愛は冷めます。
「愛」とは何のことでしょう?
肉体的快感を得られても、知的快感(満足)を必須とする私の場合、肉体が思うことなどどうでもいいこと。

セックスのない生活は、時間的、知的、感情的、精神的拘束が全くないか、少ない生活でもあります。
私は性的生活も否定しません。
私は肉体的に恵まれています。
性的満足をいつも得ることの出来る肉体を持っています。
肉体や性的快感が全てであった若い頃、私が求め続けたのは、「心」「愛」です。
知的満足、精神的満足を得ることは、私にとって欠くべからざることです。

私が求め続けたのは、「心」「愛」、と今言ってみても、「心」や「愛」は一体何処にあるのでしょう?
私は貴方を愛することが出来ます。
けれど、貴方は私を愛することが出来ますか?
貴方が私よりも
私が貴方よりも
「愛」について知っている
「心」を大切にしていると
言えますか?

ひとり立つ
ひとり見る
ひとりであると思う
わたしを探す
わたしと同じあなたを探す
わたしはあなたと同じではないと思う
あなたはわたしと同じと思うのに・・・

愛するとは一人貴方を思うことで・・・
「薄い帷(とばり)」は、言葉
言葉はあなたを知るために
言葉はあなたを誤解するために
言葉は薄い膜、薄いカーテン
私達が話すことの中身は、話したいこと、話したくないこと、話してはいけないこと
話す言葉であなたを知ることは出来ません
口にすることや、頭に思い浮かべることが全てではありません

20:19 2011/11/24木曜日

2011年11月23日水曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣(なら)った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽
愛されたかった

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言(かげん)
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

陶然として
いちおう
整える襟
私はひとり立っていた
遠く離れて広やかな
棄てて忘れて美(うるわ)しく
飽き飽きするほどのこの広大無辺
隙間を過(よ)ぎる歳月(としつき)
私は望んだ進んで犯す過(あやま)ちを貴方に
私は望まなかった掲げる灯火である私を
貴方は望んだ私に
身を寄せる岸を
次第に消える燼余(じんよ)
私は見ていなければならなかった私を
貴方は見ていた私を
冷たい灰
違(たが)える流れ
のちに
愛されたかった

露の世
目を濡らし
這う這う逃げる
私はひとり見ていた
陽を受けて葉が裏を向く
惜しまず削る私
残すことなく赤い口紅を落とす
私は拠り所とした貴方を
二人は身を委ねた壊れた玩具(おもちゃ)に
私は問い返す目覚める度(たび)今日の途(みち)を
貴方は見た私を
私は見ていた貴方を

ひとつ
触れた脈
愛されたかった

知り尽くし
障りなく
可愛げな女
私はひとり立っていた
おしまいと言いながら潜り込む貴方の場所
剥き出しの皮膚
幾ほどもなく泣きすがるなだらかな人の胸
寄せ返る波
貴方は聞かせてくれた間に合わせに
私は言いかけて充ち足りた
いやになるほど匂い染まる山々
私は貴方を見ずに遠い所を
貴方は私を見てありふれた女と
外れて
徒(いたずら)に
望まない
告げない
愛されたかった

的の外れた雨
路を砕き
岸を崩し
眜(くらい)囲いを作る
私はひとり見ていた
片足のない鳥を
後退(じさ)りする水面を
遠く眺める浅い器
朱を溶かし古(むかし)を染める
陸(おか)に喘ぐ朱い砂
貴方は私だった
私は貴方だった?
だれに掴まり
どこに行き着き
だれを明らめ
どこを流れる

革(あらた)まる命

薄い帷(とばり)
愛されたかった

22:02 2011/11/23水曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日
21:55 2011/11/19土曜日
20:37 2011/11/20日曜日
20:32 2011/11/21月曜日
21:02 2011/11/22火曜日

今日でこの詩は書き終わりました。
明日見直して、「愛されたかった」の最終投稿を行います。
明後日から、他にも長くしたい詩がありますから、それに挑戦します。
この詩、男の人はどうだか分かりません。
けれど女の人なら朗読すると、
「なんてせつないの?」
「いくつになっても、恋をしなきゃ」と思うでしょう。
私は恋はしません。
夫を亡くして、
泣くこともなく
悲しみの意味さえ分からずに、
「あなたのためにいちど、にど、さんど・・・そのくらいは涙を流したい」
ひとり言です。
話す相手の夫はいません。

2011年11月22日火曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣(なら)った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽
愛されたかった

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言(かげん)
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

陶然として
いちおう
整える襟
私はひとり立っていた
遠く離れて広やかな
棄てて忘れて美(うるわ)しく
飽き飽きするほどのこの広大無辺
隙間を過(よ)ぎる歳月(としつき)
私は望んだ進んで犯す過(あやま)ちを貴方に
私は望まなかった掲げる灯火である私を
貴方は望んだ私に
身を寄せる岸を
次第に消える燼余
私は見ていなければならなかった私を
貴方は見ていた私を
冷たい灰
違(たが)える流れ
のちに
愛されたかった

露の世
目を濡らし
這う這う逃げる
私はひとり見ていた
陽を受けて葉が裏を向く
惜しまず削る私
残すことなく赤い口紅を落とす
私は拠り所とした貴方を
二人は身を委ねた壊れた玩具(おもちゃ)に
私は問い返す目覚める度(たび)今日の途(みち)を
貴方は見た私を
私は見ていた貴方を

ひとつ
触れた脈
愛されたかった

知り尽くし
障りなく
可愛げな女
私はひとり立っていた
おしまいと言いながら潜り込む貴方の場所
剥き出しの皮膚
幾ほどもなく泣きすがるなだらかな人の胸
寄せ返る波
貴方は聞かせてくれた間に合わせに
私は言いかけて充ち足りた
いやになるほど匂い染まる山々
私は貴方を見ずに遠い所を
貴方は私を見てありふれた女と
外れて
徒(いたずら)に
望まない
告げない
愛されたかった

21:02 2011/11/22火曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日
21:55 2011/11/19土曜日
20:37 2011/11/20日曜日
20:32 2011/11/21月曜日

2011年11月21日月曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣(なら)った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽
愛されたかった

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言(かげん)
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

陶然として
いちおう
整える襟
私はひとり立っていた
遠く離れて広やかな
棄てて忘れて美(うるわ)しく
飽き飽きするほどのこの広大無辺
隙間を過(よ)ぎる歳月(としつき)
私は望んだ進んで犯す過(あやま)ちを貴方に
私は望まなかった掲げる灯火である私を
貴方は望んだ私に
身を寄せる岸を
次第に消える燼余
私は見ていなければならなかった私を
貴方は見ていた私を
冷たい灰
違(たが)える流れ
のちに
愛されたかった

露の世
目を濡らし
這う這う逃げる
私はひとり見ていた
陽を受けて葉が裏を向く
惜しまず削る私
残すことなく赤い口紅を落とす
私は拠り所とした貴方を
二人は身を委ねた壊れた玩具(おもちゃ)に
私は問い返す目覚める度(たび)今日の途(みち)を
貴方は見た私を
私は見ていた貴方を

ひとつ
触れた脈
愛されたかった

20:32 2011/11/21月曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日
21:55 2011/11/19土曜日
20:37 2011/11/20日曜日

2011年11月20日日曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽
愛されたかった

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

陶然として
いちおう
整える襟
私はひとり立っていた
遠く離れて広やかな
棄てて忘れて美(うるわ)しく
飽き飽きするほどのこの広大無辺
隙間を過(よ)ぎる歳月(としつき)
私は望んだ進んで犯す過(あやま)ちを貴方に
私は望まなかった掲げる灯火である私を
貴方は望んだ私に
身を寄せる岸を
次第に消える燼余
私は見ていなければならなかった私を
貴方は見ていた私を
冷たい灰
違(たが)える流れ
のちに
愛されたかった

20:37 2011/11/20日曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日
21:55 2011/11/19土曜日

2011年11月19日土曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

蜻蛉州(あきつしま)
寒(なかな)い蝉
別のものの皮を着る
私はひとり見ていた
似ている人を
似ている背を
気まぐれに答えを探す
似た約束を口にする
拗(ねじ)けて押し遣る私そのもの
私は寄せ付けなかった私を
私は寄せ付けなかった誰一人
私は見た貴方を
私は見た貴方を
あまりに
突き付けて
ひとり
愛されたかった

21:55 2011/11/19土曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日
20:41 2011/11/18金曜日

2011年11月18日金曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽

蒼く渇いた
日の連なり
廻り合わせ
足を爪立てて見る
残りの一刻一刻
私はひとり立っていた
臂(ひじ)に刻する
文字それぞれ
思いそれぞれ
嘘のように滅んで往く人
向かい合い互いの目を以って確かめても
声の限りに叫んでも
花心
花言
花の如し
私は葬る貴方を
私は葬る貴方と住んだ家を
私は見ていた貴方を
貴方は忘れてしまった私を
然(そ)うして
もう一度
似たような
愛されたかった

20:41 2011/11/18金曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日
18:41 2011/11/17木曜日

2011年11月17日木曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

惰性の力
支配を好み
深く心酔し
私はひとり見ていた
恥じて赤らむ空を
行き悩む雲を
ゆるやかに斜めに傾く陽
綿布の色も衰え
こころに滲みる恋文
私は身につけた諦めを
貴方は隠さなかった躊躇いを
私は見ていた貴方を
貴方は見ていた私を
こんなに
一面に
裂けた羽

18:41 2011/11/17木曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日
19:45 2011/11/16水曜日

2011年11月16日水曜日

福島瑞穂さん此れは脅迫ですか、恐喝ですか?

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慰謝料を請求します ― 私に対する事実無根の誹謗中傷 ― (鳥居正宏のときどきLOGOS)
私、鳥居正宏は、去る2008年6月7日より、同年10月24日までの間、ある1人の人物によって、インターネット上で非常に広範な範囲にわたって「...
いま、まさに必要なこと ― 福島みずほ さん― (鳥居正宏のときどきLOGOS)
======================== ◇ ======================== 今、まさに、必要なことは、新自由主義的な経済政策を社会民主主義の経済政策に転換をすること。み...
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2008年6月7日から同年10月24日までの間、ほぼ連日のように私(鳥居正宏)に対して、私の名を名指しして「鳥居正宏は偽社民党員」「鳥居正宏...

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

旅の憂い
花の姿
使いの鳥
私はひとり立っていた
明け残る海に薄氷を踏む
遥かなる岸
捉え難く
言い繕う芝居の終わり
転がる声 絡まる君
敢えて意に染まない独白の喉を切る
私を計るには自由の器を
世を図るには孤高の鬣(たてがみ)を
貴方は似ていたその人に
私は似ていたその人に
貴方は代わりに私を
私は代わりに貴方を
そうだとしても
捕えられて
囚われて
獣(けだもの)の檻(おり)
愛されたかった

19:45 2011/11/16水曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日
18:29 2011/11/15火曜日

2011年11月15日火曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還(かえ)り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁(と)め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けて
あの角
この角
愛されたかった

巡る赤心の章
心のあるところ
風冴ゆる
私はひとり見ていた
晴れた日
空空寂寂
刺草に触れ自らを投げ隠して
文机に向かう
わずかな言葉で成る感傷
人の傍ら
悲しい振りをして
それっきり
貴方は答えてくれない
私は答えを求めない
貴方は見ていた私を
果たして
この安らぎ
賤(いや)しく
愛されたかった

18:29 2011/11/15火曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日
20:22 2011/11/14月曜日

2011年11月14日月曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

火雲
日を尽くして
野を焼く
私はひとり立っていた
時を禁め
時を読まない
進み 戻る
迷いもかすれ
広がる青い海
なれた仕方
狂わない針
己を空しくして与える人
貴方のこころに叶いたい
貴方は哀れんだ私を
私は安んじる私を
貴方は見ていた私を
世を避けてあの角この角
主として

20:22 2011/11/14月曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日
18:46 2011/11/12土曜日
14:19 2011/11/13日曜日

2011年11月13日日曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

再び帰らない逕(みち)
魂(こん)は天に還り
魄はく)は地に眠る
私はひとり見ていた
傾いた日の向こう側
白い月 白い水を探す
潔く尊く
泬泬(けつけつ)たる食卓
無念の燭(しょく)を頂く
私は背いた貴方に
私は背いた寄る辺なさに
私は見た貴方を
貴方は見ていた私を
忘れて
今は昔
忘れて
愛されたかった

14:19 2011/11/13日曜日
18:46 2011/11/12土曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日
23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日
20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日

2011年11月12日土曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

条理の北の果て
恋ごころ
秋の霜
私はひとり立っていた
貴方はひとり立っていた
打ち明ける人の外
覚悟が奪い去る限り
方図もなく野辺をうずめる半ば美しい花
手を伸ばすとみな 影
貴方は許した私を
私は許された何もかも
私は許せなかった私を
私は許せなかった貴方を
許せなかった何ひとつ
貴方は見ていた私を
丸めて夕べ
粗末なこと葉
はらはら
愛されたかった

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12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
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20:50 2011/11/10木曜日
17:55 2011/11/11金曜日

2011年11月11日金曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声を聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

走るように今日
阻む明日
散ずる然り
私はひとり見ていた
滾滾(こんこん)と湧き出る念(おも)い
たとえ足りない夜も
たとえ繋がれた秋(とき)も
片時熱に振れる目盛り
私は傾斜して行った貴方に
貴方は慈しんだ私を
私は貴方を見ていた
貴方は私を見ていた
今宵
私を連れ去り
縺もつ)れる舌
愛されたかった

17:55 2011/11/11金曜日
12:37 2011/10/12水曜日
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2011年11月10日木曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が溜(た)まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る慣わし
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め思いに沈む誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

平らかな日
遠目に人を見る
遠く人の声聞く
私が私でない
貴方が貴方でない
穹谷(きゅうこく)の霧に包まれ
踏み行うべき道を外れる
朝に夕に私に与えられていた
朝に夕に貴方に恵まれていた
私はなぞりたかった男という形式を
貴方は囚われていた女という輪郭に
ふたりは見ていたいのちを
陽炎(かげろう)
蜉蝣(かげろう)
めざめて
ゆれて
愛されたかった

20:50 2011/11/10木曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
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22:11 2011/11/06日曜日
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23:08 2011/11/08火曜日
18:24 2011/11/09水曜日

2011年11月9日水曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

ひと切れの雲
清らかな水
草草(そうそう)
私はひとり立っていた
志を潜め
思いに沈む
誰そ彼(たそかれ)
器に溢れる誇り
誰かはいた私の指に触れて
誰かはいた私の影に重なって
私はいたひとり立っていた
貴方は見ていた私を
日に干して
穴に埋めて
寝床に就く
愛されたかった

18:24 2011/11/09水曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
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2011年11月8日火曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

懐かしく
離れ難(がた)く
燻(くすぶ)る
私はひとり見ていた
必然に隋(したが)い
偶然に結(ゆ)わえられる
悲しい無駄をして
悲しい目の落ちる場所に行く
貴方は変わらなかった
私は幻に倣った
戯れに空いた席を探す
貴方は見ていた私を
鎖(とざ)されて
灰の中
夢のような
愛されたかった

23:08 2011/11/08火曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日
22:11 2011/11/06日曜日
23:26 2011/11/07月曜日

2011年11月7日月曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

東に岐路
西に心を残し
行く道に風は吹く
私はひとり立っていた
失って塗った色
容易く罪を作る
私は得ようとした楽しい束を
貴方は守ろうとした石の沈黙を
私は逃げられなかった
貴方は逃げなかった
私は見ていた貴方を
此処の景色
彼方此方(あちこち)の人
息の一切
愛されたかった

23:26 2011/11/07月曜日

2011年11月6日日曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

私の歪み
部屋の歪み
時代は緩(ゆる)やかに曲がる
私はひとり見ていた
或る場所に向かういのち
吊れる傷
行っては戻り
骨に往き着く
私は懼(おそ)れていた私を
私は懼れていた貴方を
貴方が見ていた私
西の空が赤らむ
炎を切って
鳥を放してやる
愛されたかった

22:11 2011/11/06日曜日
12:37 2011/10/12水曜日
22:06 2011/11/04金曜日
21:42 2011/11/05土曜日

2011年11月5日土曜日

愛されたかった


過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
貴方はいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

似た扉
似た空
似た話
私はひとり立っていた
一枚の皮
前に刻んだ荒くぼんやりとした人のカタチ
重ねることが出来るとすればおもちゃのような性器
どのように近付いても閉じる人の扉
知られないように隠されている人の顔
私は恥ずかしかった私が
私は捨てたかった私を
貴方は見ていた私を
口にせずに見たい
言葉にせずに聞きたい
それは
朝に遠く
夜に遠く
愛されたかった

21:42 2011/11/05土曜日
22:06 2011/11/04金曜日
12:37 2011/10/12水曜日

Broachトップページに通知しました
その他 4 サーバーに更新通知しました(うち失敗 1 件)
・ http://api.my.yahoo.co.jp/RPC2 への送信に失敗しました

・ http://api.my.yahoo.co.jp/RPC2 への送信に失敗しました
YahooPingは毎日外されています。

2011年11月4日金曜日

愛されたかった

過ぎた日
過ぎた時
過ぎた人
私はひとり立っていた
青い広々とした原っぱ
何処かには行けるはずの道
光りを失った砂の上
私は見ていた私を
私は話さなかった私を
あなたはいた私の目の前に
私はいた貴方の目の前に
貴方を見ていた
秋が過ぎ
冬が留まり
春が巡る
愛されたかった

灰色の空
退屈な街
遠い日
私はひとり見ていた
日を浴びて窓辺で
雨に濡れた鉄棒を
凍った路上の葉のない樹
私は憎んでいた私を
私は忘れられなかった私を
貴方は捨てられなかった貴方を
貴方を見ていた
昨日が留まり
今日が暮れて
明日が遠い
愛されたかった

往く人
移ろう季節
褪せる景色
私はひとり立っていた
道は途切れ
小さな海が切り取られ
飛ぶ鳥は時空を失う
私は生きようとした私を
貴方は生きようとした貴方を
二人は限られていた
二人は定められていた
日は始まり
日は終わり
人は水の辺(ほとり)
愛されたかった

蓄えられた光
自由な線
仮初めの岸
私はひとり見ていた
波乱のない劇を
贈られるばらを
石ころのような晩に鞄に折り畳む手足
私は逃げようとした私から
貴方は見つめていた私を
貴方は逃げようとした私から
私は明らめていた貴方を
あらゆることを求め
あらゆることがいやになる
その昔
終わり頃(ころ)
いろいろの人
愛されたかった

22:06 2011/11/04金曜日
12:37 2011/10/12水曜日

又この詩をもう少し長くします。
来週の月曜日頃まではこの続きを書けるかな?・・と思っています。
それから後のことは
それから後になると
決められるかも知れません。
言葉のひとつひとつがわたしのものであるかのように想えて
なにもかもがわたしのためにそこにあるように想われて
どんなことばでもわたしのためにつくられたものであるかのように想えて
詩を書くことがどんなに素晴らしい作業であるか悦びであるかいま感じています。