手を振って誰かと別れた夕べ
誰かと生きれば
誰かを捨てている
春には人の生きる姿がよく見える
けれども人の歌が聞こえない
散る花の形をした国家の
この散る花の国家に在っては
詩人である私は詩人ではない
腐った詩人なら
散って泥に塗れる花の如き詩人なら
この国は歓迎する
私は詩を残す必要はない
私も残る必要がない
私の詩は消されては消え
消されては千切れ
もう私はこの詩の何処にもいない
私の言葉とイメージはこの詩の何処にもない
ダンスは自由ではない
ステップは人から自由を奪う
詩は自由ではない
詩人である私が自由ではないから
詩である私の詩が自由を許されないから
詩とは言えない貴方の詩に自由が許されているから
言葉は人から自由を奪う
人は定型詩に自由はないという
定型詩は詩人を自由にする
特定の音
特定の意味
特定の文字の数
特別に定める器に特別な何かを盛り付けるのは容易いことである
手を振って誰かと別れた夕べ
誰かと見れば
誰かを揺さぶり
花には人の生きる姿がある
けれども春の歌が聞こえない
散る花の形をした国家の
23:30 2012/02/26日曜日
Good-bye to All That ⅩⅣ Robert Graves 成田悦子訳
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ⅩⅣ夏の進行と共に爆弾の新しいタイプや塹壕‐迫撃砲、より強烈な砲撃、改良されたガス‐マスク、規律の全般的強化がやって来た。僕達は新隊の第一大隊と合流し、比べてみると案山子のように思えた。僕達の大隊はカムブランやキュアンシ塹壕から出て行った、ベチューヌの兵士宿舎や隣接する村々共々。この時まで僕は第一分割の悲観論を...
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