私は生まれて安らかで
私は私であった
私は未だ言葉を持たず
私が保たれた
春の日の薄い花
浅い海の薄い貝
砂の底の生の証明
手と足
腹と背
ひとつなぎの私の家を有(も)った
私と人の区分けには
私の位置が
私の言葉が
私のくちびるがなければならなかった
私の家と人の家の間に壁がなければならなかった
私の家と人の家の間に自由がなければならない
女の家と男の家に自由がなければならない
女と男の間に壁がなければならない
女と男の間にくちびるがなければならない
女の位置と男の位置がなければならない
私が主体であるために名誉がなければならなかった
名誉はいのちである
私は述懐を強いられず
誰にも述懐しない
私はいつか私であることを離れ
生きて行くにつれ
幸福であるか
不幸であるかにこころを奪われた
私は不幸に片寄る言葉だけを覚え、幸福を蓄える言葉を覚えられなかった
22:03 2012/01/30月曜日
Good-bye to All That ⅩⅣ Robert Graves 成田悦子訳
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ⅩⅣ夏の進行と共に爆弾の新しいタイプや塹壕‐迫撃砲、より強烈な砲撃、改良されたガス‐マスク、規律の全般的強化がやって来た。僕達は新隊の第一大隊と合流し、比べてみると案山子のように思えた。僕達の大隊はカムブランやキュアンシ塹壕から出て行った、ベチューヌの兵士宿舎や隣接する村々共々。この時まで僕は第一分割の悲観論を...
3 週間前