私は存在しなかった
私は私を求めた
私を求めて
私は私の家を探した
私の家は遠ざかり近付く
私は私を求めた
私を求めて
私は私を欲しい人私を欲しがるものの下に身を置いた
私は沈黙を唇に隔たりを胸に抱いた
人は果実を求める
私は果実に成り得なかった
満たされない果肉
満たされない果汁
私は夕べに祈りを朝に翼を折った
時間は私を無意識から意識の世界に運ぶ
硬直した失望
しっくりしない希望
満たされないという豊かさから離れられない
満たされたいと願う不確かさを踏み越えられない
私は唯一であり
私は正しく私は誤らない
貴方は私が間違っていると言う
貴方は私に正しくないと言う
貴方は唯一であり
貴方は正しく貴方は誤らない
私は貴方は正しく貴方は誤らないと思う
私は寂しい傾きに安んじ
寂しくないという方向に不条理を追う
何処にあっても満たされない
何を抱(いだ)いても満たされない
何処にあっても満たされる
何を抱(いだ)いても満たされる
私は今も存在しない
私は私を求めない
私を求めずに
私の家を去った
私の家は遠ざかる
私は私となった
私は今も存在しない
23:40 2012/01/21日曜日
Good-bye to All That ⅩⅣ Robert Graves 成田悦子訳
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ⅩⅣ夏の進行と共に爆弾の新しいタイプや塹壕‐迫撃砲、より強烈な砲撃、改良されたガス‐マスク、規律の全般的強化がやって来た。僕達は新隊の第一大隊と合流し、比べてみると案山子のように思えた。僕達の大隊はカムブランやキュアンシ塹壕から出て行った、ベチューヌの兵士宿舎や隣接する村々共々。この時まで僕は第一分割の悲観論を...
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