山は過ぎた日を思うほど寂しくはない
山は明日の戒律ほど厳しくはない
其処にあるから登るというほどのものでもない
ねばならぬと開(あ)きもしない鍵を差し込む
春は晴朗ににして水清冽
れんげが咲き 鳥の棲み処にひなが生まれる
唯有る今日 降り頻(しき)る音
そう有りたいと美の封を切る
初恋はおそるおそる落ちてみるおんなの沼
青褪めて乗り込む男の舟
ふいに逃げ出す庭
恋は仮の家
言えない鍵穴に差し込む私の影
言いそびれてあきらめる完全の面影
海は破れた大地ではない
波は枝垂(しだ)れた時ではない
いのちは其処に生まれ其処に還ると思い込む
日が沈み日が昇り其の方に向く
23:20 2012/01/16月曜日
山は明日の戒律ほど厳しくはない
其処にあるから登るというほどのものでもない
ねばならぬと開(あ)きもしない鍵を差し込む
春は晴朗ににして水清冽
れんげが咲き 鳥の棲み処にひなが生まれる
唯有る今日 降り頻(しき)る音
そう有りたいと美の封を切る
初恋はおそるおそる落ちてみるおんなの沼
青褪めて乗り込む男の舟
ふいに逃げ出す庭
恋は仮の家
言えない鍵穴に差し込む私の影
言いそびれてあきらめる完全の面影
海は破れた大地ではない
波は枝垂(しだ)れた時ではない
いのちは其処に生まれ其処に還ると思い込む
日が沈み日が昇り其の方に向く
23:20 2012/01/16月曜日