筋肉のついていない顔
揺れるような居住まい
ひとりでに伸びた長い髪
お前はいつも空ろ
お前は連れ去られ陵辱されたものの眼をしていた
意思を持たなかった
鍛錬と言う言葉の外でお前は揺れるように暮らしていた
お前は魚に似ていた
今日私は小説を読んでいて突然思い出したのだ
あの路地の夢
いつも選んでしまう寂しげなあの道
時間が悪魔のように先を急かし男を呪われたように思った季節
屋上で夜も干しっぱなしにされているシーツに濡れた顔を撫でられながら見上げた星の無い空
私はお前のような目をして煤けた空でちぐはぐに羽をばたつかせた
助けは呼ばない
むしろ墜落を焦がれていた
私はついにその路地に迷い込むことはなかった
夢を見ることもいつの間にか無くなった
最も嫌った最も畏れた時が私を長い悪夢から救い出した
誰かがその夢を盗んだ
夢は用意周到に脚色を施され私は演じた
愚かでさもしい役だ
そして空ろなお前の瞳に再会した
お前たちの前で私は無力だった
お前が知るより前から私はそこに居てもっと深い場所で息も絶え絶えに救いを待っていた
あの日お前の監視下で眠りに就き上から覆いかぶさる気配を感じてもがきながら何度目かにやっと助けてと夜の海で声を発した
たくさんの差し伸べられた腕を見た
どれも置き去りにした腕だった
私はその全ての腕につかまって泥のような海から這い出た
お前は魚のような目で救われていく私を見た
あの日から何か大事なものを泥の海に忘れてきたような気がしてならない
時々ふとした加減でお前ののっぺらぼうのような面影と空ろな眼を懐かしくさえ思うがすぐ気を取り直す
夢の中のあの路地は一見活気づいているようだがそこにいるものは皆男も女も犬も猫も魚のような目をしていた
二度とその夢を見てはならない
演じてはならない
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この詩は、2004年に書きました。
私は札幌で夫と暮らしていました。
雪が外で吹き荒び、私の眠っている部屋の換気口からその悲しげな音が聞こえていました。
久しぶりにこの詩を読んで、我ながらあまりにも素晴らしい、やはり出版社や毎日新聞社や詩人、電通、博報堂、角川等の映画会社が盗みたくなるだろうなと思いました。
それで、旧作ですが、新作の間に入れることにしました。
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今日パソコンが又壊され、浪速署に返して貰った使っていないパソコンの中に入っていました
Jugem「ni-na」にも載せましたが、麻生太郎自民党・太田昭宏公明党・池田大作創価学会・福島瑞穂社民党(違法偽名サイト「鳥居正宏のときどきLOGOS」は、Jugem「ni-na」の詩やエッセイを20回違法解約という形を取って削除を繰り返しました。
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国民が選択したのは、「買わない、何処にも行かない」で、「さすが日本人」と私は思いました。
消費低迷は、米子市の花火大会(一分で花火大会が終わり、それを三日続けた。)や米子市ジュンテンドウの花の苗売り場(売り場を五分の一に縮めた。)に見られるように、二分の一以下にGDPが下がっているはずです。
Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳
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メスでカプボードゥの中に、僕は大きな革の装丁の台帳を偶然見つけ、読もうとしてそれを引っ張り出した。それはへセヴァストゥポル以前の塹壕の中での第一大隊の日刊指令帳簿であることを証明し、レダン・リダウトゥにおける攻撃のために指示を与えているそのペイジのそれを開いた。これこれしかじかの一中隊は中尉等々の下、猛攻する隊へ...
1 日前