事実私は此処にいない
此処にいたい
此処にいるのに此処にいると認められず
私自身も此処にいたと認めることが出来なかった
私は家にいた
私は家の一人であると思うこともなく
家の一人として認められることもなかった
私は家の一人であることを願った
私は家を去り
私は家を作った
私は其の家にいた
私の其の家は私が作った家であったが
家の一人であることを知らなかった私は
家というものが分からず
家の一人一人がどういう意味を持つのか分からず
私は作った家の一人になることが出来なかった
私は此処にいる
「私は此処にいます。」と貴方に告げた
貴方は私が此処に存在することを否定する
貴方の周りの誰もが私が此処に存在することを認めない
私は此処に存在しながら
人としての存在を認められることはない
すると真実は何処にもない
人が私の存在を認めなければ
私は今此処に存在することを許されず
私が貴方を愛することも愛したことも偽りで
貴方は其処にいながら私を見ない
貴方に振り返られない私は私として存在しない
私はいないのではなく
此処にいる
私の存在を認めない
私の存在を押し潰す無限軌道
私の往く道に私の存在の理(ことわり)がある
事実私がいることを認めない貴方と其の周り
私には私の真実があり
私の真実は誰にも理解されない
真実に貴方と貴方の周りの証言は要らない
真実は誰が認め誰が認めなかったかで決定されてしまう
今夜私の窓辺に月が見えます
遠い貴方の窓の月と私の窓の月が同じでも
貴方は私の存在を知らず
私は貴方の存在を知っています
貴方は私の存在を認めず
私は貴方の存在が全てです
22:54 2011/06/17金曜日
Good-bye to All That ⅩⅣ Robert Graves 成田悦子訳
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ⅩⅣ夏の進行と共に爆弾の新しいタイプや塹壕‐迫撃砲、より強烈な砲撃、改良されたガス‐マスク、規律の全般的強化がやって来た。僕達は新隊の第一大隊と合流し、比べてみると案山子のように思えた。僕達の大隊はカムブランやキュアンシ塹壕から出て行った、ベチューヌの兵士宿舎や隣接する村々共々。この時まで僕は第一分割の悲観論を...
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