IV
"It Is the Season Now to Go"
(From Underwoods)
Robert Louis Stevenson
"It is the season now to go"
About the country high and low,
Among the lilacs hand in hand,
And two by two in fairy land.
"出かけるなら今、この季節だ"
国のあちこち高地も低地も
手に手を取ってライラックの花の間を
そうして二人ずつお伽の世界に
The brooding boy, the sighing maid,
Wholly fain and half afraid,
Now meet along the hazel'd brook
To pass and linger, pause and look.
あの考えこんでばかりいる若者、
あの嘆息ばかり吐いている娘、
専(もっぱ)ら熱心でありながら
半ば恐る恐る
ほら、はしばみ色の小川の畔(ほとり)で待ち合わせる
通り過ぎては躊躇い、立ち止まっては振り返る
A year ago, and blithely paired,
Their rough-and-tumble play they shared;
They kissed and quarrelled, laughed and cried,
A year ago at Eastertide.
一年前、浮き浮きして仲良くなった
彼らが共にした無鉄砲な行動
キスをしては喧嘩をし、笑っては泣いた
復活節の一年前
With bursting heart, with fiery face,
She strove against him in the race;
He unabashed her garter saw,
That now would touch her skirts with awe.
綻びそうな胸で、情熱的な顔で
彼女は、急流に身を置きながら、彼に抗した
彼は、物怖じしない彼女のガ―タ―に目をやった
それは、今にも、恐縮しつつ、彼女のスカ―トゥに触れようとしている
Now by the stile ablaze she stops,
And this demurer eyes he drops;
Now they exchange averted sighs
Or stand and marry silent eyes.
今度は、興奮した様子で、彼女は身をかわす
すると、彼は、この、より真剣な目をする
今、彼らは、逸らされた吐息を交わす
それどころか、変わる事もなく、静かな眼差しと結婚する
And he to her a hero is
And sweeter she than primroses;
Their common silence dearer far
Than nightingale and mavis are.
そうして、彼女にとって彼は英雄になる
つまり、桜草より彼女の方がずっと可愛らしい
彼らのよくある沈黙は、ナイティンゲイルや歌鶫(うたつぐみ)より遥かに、心がある
Now when they sever wedded hands,
Joy trembles in their bosom-strands,
And lovely laughter leaps and falls
Upon their lips in madrigals.
今、彼らが繋いだ手を離せば
喜びは、彼らの胸の岸で萎える
又、楽しそうな笑い声は、マドゥリガルを口ずさめば、
彼らの唇の上で飛び跳ね、やがて生気を失う
21:41 2016/01/08金曜日
Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳
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