愛について語りたがらない男達のくちびる
幸せかって貴方は聞く
幸せって?私は尋ねる
幸せに退屈という字を当ててみる
貴方の顔が退屈な顔に
貴方の声に愚鈍が混じる
だから幸せとか不幸せとか尋ねないで
幸せはあんまり好きではない
だから幸せにしないようにしておいて
少なくとも貴方を嫌にはならない
幸せかってあの人も手紙をよこして聞いた
その時私はどっさり答えた
その時私は平凡という一文字を便箋何枚にも著した
平凡な人と
平凡な恋愛と
平凡な結婚と
平凡な子供と
平凡な人生
男は幸せという平凡を提供したがる
男は幸せそうにすると喜ぶ
私が平凡なら貴方にも手に入れられるわね
私は幸せという言葉をいとも簡単に口にするくせに、愛について語りたがらない男達のくちびるを見ていた
幸せになりたいと昔思ったことがある
あまり幸せとは言えなくなりそうだった私は
安定と幸せは同じ所にあると思った
貴方は安定を提供した
私は平凡な結婚をした
私は平凡な女であろうとした
貴方は提供しなかった愛っていうものを
私も提供できなかった愛っていうものを