1庭はもう見えない
窓辺に口の聞けない形に器を並べる
踏み躙られた舌や捨てた唇を入れてある
2夢中で胸を抱き締めた靴音はもう聞こえない
唯一度寛ぐこともなく
欠けた時を埋め合わせるには余りに急で
3自由の地に生まれた人はいない
思うままに生きる人もいない
思いを手にすると皆有りもしない
4生体実験を知る人はいない
「ありません。」と言うと皆有りもしない
「知らない。」と言うと有った事は無かった事になる
「言わない。」事にすると何を言っても良い
5生体実験を好む人は良い人に見せたがる
「癒されたい」人は癒される事はない
「幸せになりたい」人は不幸に向かう
「愛さなければならない」人は愛を口にすると愛が逃げる
6生体実験を好む人は死んでいる
死にたがる死んでしまいたがる死んでもいいと思いたがる
生きて痛がる
7生体実験を知る人はいない
「見なかった」と言うと死体が踊り出す
「皆殺し」は人の数の欠如を意味するのではなく人の心の欠落の犯行
18:30 2012/07/08日曜日
Good-bye to All That ⅩⅣ Robert Graves 成田悦子訳
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ⅩⅣ夏の進行と共に爆弾の新しいタイプや塹壕‐迫撃砲、より強烈な砲撃、改良されたガス‐マスク、規律の全般的強化がやって来た。僕達は新隊の第一大隊と合流し、比べてみると案山子のように思えた。僕達の大隊はカムブランやキュアンシ塹壕から出て行った、ベチューヌの兵士宿舎や隣接する村々共々。この時まで僕は第一分割の悲観論を...
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