2014年5月8日木曜日

身も心も/柳田邦男を読む「サクリファイス犠牲わが息子・脳死の11日」167

身も心も

少し理に逆らう日の重なり
何もかもぼんやり後ろ
不運を畳み
口に実(じつ)を広げる

並に安(やす)んじて
何もしないでいるうち
いつの間にか
心が停(とど)まる

はらはらと地に落ちる名
慰みに戯(おど)けてなお空恥ずかしく
僅(わず)かな影に脅え
只々身を縛る

未(いま)だ人の道を行かず
移ろう季節がもどかしく
及ばぬ流れに心惹かれ
正す姿さえ賤しさを引き摺る

定めに殉じる日の恨めしく
何もかも侮やまれて後ろ
不世出に耐え
口に実りを含む

22:33 2014/05/08木曜日