2014年3月14日金曜日

わたしが語るとき/柳田邦男を読む「サクリファイス犠牲わが息子・脳死の11日」115

言葉の力、生きる力(新潮文庫)柳田 邦男
新潮社(2005/6/26)

生きなおす力(新潮文庫)
新潮社 (2011/10/28)

生きる力、絵本の力(柳田 邦男)
岩波書店 (2014/1/30)

柳田邦男は、力で何かが出来ると考える。
この近著がそれを顕している。

わたしが語るとき
言葉には、ちからを抜いてほしい
言葉からちからが抜けるとき
言葉は往(ゆ)き着く先を見喪うだろうか
わたしはそのとき往き着く
右往左往するわたし
それがわたしが生きる意味
そして言葉は何処を港とするでもなく
水に漂いさ迷い流れ流され止まり
生きて海となる

わたしが生きるとき
わたしのいのちは、あなたのいのちを奪おうとする
わたしは、言葉にちからをと願う
わたしの言葉がちからを持つとき
言葉は犠牲(いけにえ)を求める
君よ、死して海に沈めと願う

ちからは、一瞬にして言葉の意味を
ちからは、有無を言わせず生の意味を
取り上げる

わたしが生きるとき
わたしには閉じるくちびると見つめる眼差しがほしい
わたしは語らず
わたしは見つめよう
夜明けに海を
わたしは見上げよう
夕べに暗い空を

22:17 2014/03/14金曜日