2011年3月3日木曜日

限り

平らに計った怒り
平たくされた文字
列から外れ
光を遠ざける
貧しく潔く白い砂
埋もれて軽い

寝台(ねだい)の限り
洗っても落ちないシーツの
書き捨てて燃やす手紙の
身に沁みて慕わしい

切り取られた窓
壊れた器
日は過ぎたそがれ
操の厳しく固く
守りの何と容易い

いのちの限り
指を指され
映る景色もない濁り江
緩やかに辿る向こう岸

22:21 2011/03/03木曜日